脈動は弱弱しくも、まだ続いています。
ゆっくりと、息子の背中をなでてやります。
どれくらいそうしていたでしょうか。
股間の脈動は収まりましたが、
代わりに息子の鼓動を心地よく感じ続けています。
息子は、ゆっくりと体を起こしました。
ずるり、と、膣から息子の性器が抜け落ちます。
「あ……」
思わず吐息が漏れました。
同時に、精液があふれ出し、
お尻の方まで伝っていくのを感じます。
ソファが汚れちゃう……
主婦の感覚がそう命じ、
私は右手で、たれ落ちる精液を留めました。
近くにティッシュはありません。
私は、すくった精液を膣のほうまでなすり上げ、
膣内に戻します。
そこは、本当に精液で溢れかえって、
どろどろになっていました。
後から後から溢れてくる精液を、
膣内に掻き入れるようにしていると、
ぐちゃぐちゃと音がしてしまいます。
「本当にいっぱい出したのね。こんなの初めてじゃない?」
精子まみれになった右手の指を舐めしゃぶりながら、
息子に話しかけます。
息子は、ソファの反対側にもたれて、
ぐったりしています。
「した」後、力の抜けた息子の顔はいつもどおりで、
私は一瞬怖くなります。
さっきは舞い上がってしまったけど、
やっぱり息子はまだ私を軽蔑しているのかもしれない。
さっきの確信が、行為の後の冷静さでうっすらと揺らぎ始めます。
息子が、体を起こしました。
いつもは、無言でシャワーを浴びに行きます。
立ち上がり、
汗で張り付いたTシャツを脱ぎ、
歩き出します。
いつもどおり……
私の後ろを通り過ぎようとしたとき、
息子は足を止め、振り返りました。
「あ…のさ……」
息子は、何かを言いにくそうにしています。
私のいやな予感はまだ消えていません。
「どうしたの?」
私は、体勢を変えて息子のほうに向き直りました。
でろり、と、膣から精液が流れ落ちるのを感じます。
息子は、そのまましばらくためらった後、
体をかがめます。
何か言われるものと思っていた私は、
息子の唇が私の額に触れるまで、
何をされているのか分かりませんでした。
息子は、照れた顔を見せまいと、あわてて振り返り、
そのままシャワーに向かっていきます。
私は、ほんわりと暖かい気持ちで
その背中を見送りました。
あるいは、今のは息子なりの「気遣い」で、
私を女と認めているわけではないかもしれません。
でも、確かに今、
これまでとは違う優しい空気が流れていました。
ゆっくりでいい。
そう思ってすぐに、
急激にことを進めたのは自分だったと思い直しました。
ちょっと我に返って周りを見ると、
ソファは親子の体液でべチョべチョになっていました。
「あーあ。カバー洗わなきゃ」
よっこらしょ、と、立ち上がると、
またも膣からどろりと精液が垂れ落ちます。
「もう、中まで染みちゃったら、におい取れないかも……」
主婦らしいんだかなんだか分からない悩み方をしながら、
私は、あたりに立ち込める息子の精液のにおいを
思い切り吸い込みました。
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