Side B
ちいさいころ両親を亡くして以来、
妹は僕にくっつくようになった。
肌を合わせていないと死んでしまうとでもいうように
いつでもしがみついてくる。
どこへ行くにも手をつなぎ、
夜は妹を抱きしめて眠った。
ずっとそのままで、僕と妹は大きくなったから、
性欲が生まれるのに従って、自然と粘膜を触れ合わせるようになった。
唇と舌を絡ませるようになり、
性器を触れ合わせるようになった。
触れ合うことが目的だから、
性器でつながるときも邪魔になるものを付けたりはしない。
激しく動いたりもしない。
ただなるべく多く、なるべく深く繋がる。
射精はしないように気を付けている。
先走りにも精子は含まれているからそれではダメだというけど、
それでも気を付けている。
妹はさみしがっているだけなんだから、
身勝手に欲望を満たすわけにはいかない。
妹と深くつながり、強く抱きしめる。
Side S
お兄ちゃんは、私を大事にしてくれる。
私のわがままを聞いてくれる。
私と繋がっていてくれる。
私はさみしがりでわがままだから、
もっとお兄ちゃんと深くつながりたい。
私がお兄ちゃんに言っていないわがままが
一つだけある。
お兄ちゃんは中出ししないように我慢しているみたいだけど、
そんなことしなくていいのに、と思う。
でも口には出さない。
もしかしたら、このわがままはきいてもらえないかもしれない。
いまみたいに触って繋がってくれなくなるかもしれない。
だから口には出さない。
口に出さなくてもこのままならきっといつか、
私のわがままな願いはかなう。
だから口には出さず
唇と性器でお兄ちゃんと繋がることに没頭する。
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